冬の有名なスポーツの一つにモーグルがあります。今回はそのモーグルについて、歴史やルールなどを紹介します。
モーグルとは?
モーグルは、フリースタイルスキーの一種で、不整地の斜面に自然または人工的に作られた一連の小さな丘(バンプ)とジャンプから成るコースを滑る競技です。
モーグルは、ノルウェー語で、”雪上のコブ”を意味します。
この競技はスキーヤーの技術、スピード、ジャンプの実行、そしてバンプ(モーグル)をいかにスムーズに滑るかに焦点を当てています。
モーグルは1980年代にフリースタイルスキーの人気が高まる中で発展し、1992年アルベールビル冬季オリンピックで正式なメダル種目となりました。
競技者は波打つような斜面を高速で滑り降り、途中で空中技(ジャンプ)を2回行います。得点は、技術(ターン)、空中技(エアー)、そしてスピードの3つの要素に基づいています。
採点配分は、ターンが全体の60%、エアー20%、スピード20%となっています。
モーグルの競技は非常に技術的であり、バランス、敏捷性、速さが必要とされます。特に”ターン”は、柔らかなひざ使いで、滑らかで正確にコブを乗り越えることが重要となっています。
歴史
モーグルの歴史は、フリースタイルスキーの発展と密接に関連しています。以下にその概要を示します:
- フリースタイルスキーの始まり(1960年代末 – 1970年代初頭):
- フリースタイルスキーは、1960年代末から1970年代初頭にかけて、若者の間で人気を集めるようになりました。この時期には、伝統的なアルペンスキーの競技形式に挑戦する新しいスタイルが生まれました。
- モーグル競技の台頭(1970年代):
- フリースタイルスキーの一環として、モーグルが特に人気を集め始めました。スキーヤーたちは自然な地形のバンプを利用して、技術的なターンとジャンプを組み合わせた走行を行いました。
- 競技化と組織化(1980年代):
- 1980年代に入ると、フリースタイルスキーはさらに組織化され、モーグルは国際的な競技イベントの一部となりました。国際スキー連盟(FIS)がフリースタイルスキーの競技規則を定め、ワールドカップなどの大会が開催されるようになりました。
- オリンピック競技としての登場(1992年):
- モーグルは1992年のアルベールビル冬季オリンピックで正式なメダル種目として採用されました。これにより、このスポーツはさらに国際的な注目を集めるようになりました。
- 技術とスタイルの進化:
- オリンピック競技としての地位を確立して以降、モーグルの技術やスタイルは進化を続けています。競技者たちはより高度なジャンプやトリックを取り入れ、技術と表現の両面で競技を発展させてきました。
モーグルは、スキーの伝統的な形式から派生した革新的なスポーツとして、今日では世界中のスキー愛好者に広く親しまれています。
フリースタイルスキーの中でも特にダイナミックで技術的な要素が強い競技として、その地位を確立しています。
道具
モーグルで必要な道具ですが、モーグル競技の正式な規則上、ヘルメットの着用は必須条件です。使用されるスキー板やその他の装備に対する特定の規制は設定されていません。
競技者は、アルペンやノルディックのスキー板を自由に選択できますが、カービング性能や衝撃の吸収能力を鑑みると、一般に長いスキー板が推奨されます。
また、スキーストックに関しても、標準サイズよりも短いものが便利とされています。
ルール
モーグルコースの公式寸法は、全長が235メートル±35メートル、幅がシングル競技では20メートル±5メートル、デュアル競技では30メートル±5メートルです。
このコースの斜度は、最大で37度、最低で20度に設定されており、比較的急な傾斜が特徴です
知識があるだけでテレビで見た時、今までと違うように楽しめると思います。ぜひ観戦を楽しんでみて下さい。