鏡開きは新年の重要な伝統。良い一年を迎えるため、鏡開きの意味、時期、やり方、避けるべきこと、食べ物やお酒、英語で何て言うかなど鏡開きの色々なことについて説明します。
鏡開きの意味・由来
鏡開きは、戦国時代の武士の習慣である「具足祝い」が起源と言われています。お正月には、武具の前に鏡餅を捧げ、後でそれを食べるという習慣があったのです。
鏡餅は「歯固め」の役割も果たします。これは宮中の儀式から来ており、健康な歯を持つ者は長生きするという考えから、新年に固くなった鏡餅を食べる習慣があるのです。
鏡餅には年神様が留まっているとされ、鏡餅を分けることで年神様への感謝の意を示します。
年神様の力を持つ鏡餅を頂くことで、家族全員の安全と健康を求める思いが込められています。
鏡餅を供える、取り下げる、そして食べるという一連の行動が大事で、ひとかけらも残さず食べることが重要です。
「鏡開き」の理由
かつて、新年の始まりを意味する「鏡開き」は、新年の仕事をスタートさせるための象徴でした。
武士は武具を収納する場所を開き、商人は倉庫を開き、農民は稲を打ち始めるという意味がありました。
武道の新年の開始時に鏡開きを行うのは、この伝統を継承しているからです。
元々は武家の習慣だったため、刃物で鏡餅を切ることは避けられ、手で分けるか、木槌で開けるようになりました。
また、「割る」という言葉は避けられ、「開く」という言葉が使われるようになったのです。
鏡開きの木槌の意味
上記でも述べましたが、鏡開きの際に刃物を使うことは、良くない習慣とされています。
もし新年を迎えて飾っていた餅が乾燥して硬くなった場合、どうすれば良いのでしょうか。
鏡餅を開く際は、年神様を尊重し刃物を使わず、代わりに木槌を使用します。木槌には刃がないので、問題なく使えます。
ただし、強く鏡餅を打つような行為は避け、この餅は年神様の象徴であるため、優しく取り扱うことが大切です。
注意すべきこと
以下の事を守りましょう。
- 鏡餅を食べないで放置する→絶対に食べる
- 刃物で切る→手で割る、木槌で開ける
- 「割る」と言う→「開く」と言う
- 食べ残しや捨てる→全て食べることが重要
鏡餅を使った食べ物
鏡餅は意味合いからすると、お雑煮にして食べるのが最もよい方法ですが、魔除けの意味をもつ小豆で作るおしるこもおすすめです。
また揚げ餅やきなこ餅などの食べ方もあります。
近年の鏡開きの方法
近年では、個別に包装された鏡餅が普及しており、開けるだけの手軽さが増しています。しかし、子供たちにその意味や背景を伝えることは忘れないようにしましょう。
伝統的な鏡餅は固くなることが多いので、水に浸けてから電子レンジで柔らかくすると、食べやすくなります。色々と工夫して食べることが大切ですね。
酒樽の「鏡開き」とは?
酒樽の「鏡開き」には、円満や拡大するという意味が込められています。披露宴で行われる酒樽の「鏡開き」は、宴会が「お開き」と言われるのも、良い意味合いがあるからです。
樽の蓋を「鏡」と呼んでいたため、樽の蓋を割ることも「鏡開き」と呼ばれました。
米を原料とする日本酒は、日本の農業文化にとって特別な意味を持ち、さまざまな神事で供えられてきました。
その後、祈願が終わると、参加者とともに日本酒を共有し、祈願の成就を願う風習がありました。(これを直会:なおらい、と言います)
鏡開きの日はいつ?
2024年の鏡開きの日は、1月11日です。ただ、地域によっては日付が異なることが知られています。
●1月11日に行われる地域 ・多くの地域
例えば東北、関東、九州 「松の期間」(新年の装飾が飾られる期間)が1月7日までの場所では、1月11日に鏡開きを実施します。
●1月15日に行われる地域
主に関西地方 「松の期間」が1月15日まで続く場所では、1月15日や1月20日に実施します。
●1月4日に行われる地域
京都及び周辺の場所。三が日が終了した直後、日付に関係なく鏡開きを実施します。
どうして日付が異なる?
昔は、全国で「松の期間」が1月15日まで続き、鏡開きは1月15日や1月20日に実施されていました。1月20日に行われる理由は、武士が「刃柄の祝い」として行っていたからです。
しかし、徳川家光が4月20日に逝去したことから、月命日の20日には祝事を行わない風習が生まれました。
この変化により、1月7日までと定められた「松の期間」の終了と、商家などが1月11日に「蔵開き」を行っていた伝統が組み合わさり、1月11日に鏡開きを行うようになったとされています。
また、1657年1月に発生した「明暦の大火」を受けて、燃えやすい松の装飾を早めに片付けるために「松の期間」を短くした、という理論もあります。
地域ごとの風習の違いは、幕府の方針が浸透する早さや、古い慣習が根付いていた地域があったからと言われています。
鏡開きを英語で何と言う?
- cutting Kagamimochi
- breaking Kagamimochi
「鏡開き」はその動作の通り、cutting Kagamimochi や breaking Kagamimochi と言います。
鏡餅を包丁で切るのは縁起が悪いと言う人もいるので、cut の代わりに break「割る」も使えます。
ですが、そもそも鏡餅自体が分からない外国人もたくさんいると思います。
鏡餅を英語に訳すると、
- Mirror Shaped Rice Cake
です。とは言え、「?」と思う外国人もいると思うので、
- A New Year’s offering made from rice cake (お餅で作られた新年のお供え)
rice cake:もち
offering: お供え物
New Year: 新年
もしくは、
- A traditional Japanese rice cake, an important traditional new year’s food(伝統的な日本のお餅で、とても重要で伝統的なお正月の食べ物です)
とも言えます。
別に
- round rice cake(丸い餅)
- pounded rice cake(ついたお米)
と言い換えることもできます。
まとめ
鏡開きの意味・由来、時期やダメな行為、料理やお酒、英語表現など鏡開きの色々なことについて説明しました。無駄にせず、意味を理解しながらきちんと完食することが大切ですね。