年賀状のイラストに使われる縁起物の意味・由来について紹介します。
年賀状の素材に使われる縁起物
松
松は年間を通じて葉を保つため、神々しい木とみなされてきました。この耐寒性から、長生きのシンボルとして人々に親しまれています。
竹
竹は冬を通じて緑を保ち、その頑丈さから生命の力や健康、成長の象徴と言われています。
また、たくさんの根や継続的に出る新しい芽により、家系の繁栄の象徴とも捉えられています。
梅
梅は冬の終わりに春の訪れを告げるように花を開くため、繁盛のシンボルとされおり、その早春に咲く特性から、気品や長生きの代表ともみなされています。
実は、松竹梅にはランクがあると言われています。ですが実際には、松竹梅は松>竹>梅となっていたり、その順番が逆で梅が一番になっていることもあり、あまり関係はありません。
鶴
「鶴は千年」との言葉が示すように、鶴は長寿のシンボルとされています。その夫婦間の強い絆から「夫婦鶴」とも言われ、夫婦の和を象徴します。
その遠くまで響く鳴き声は「天への通路」としても解釈され、人々にとって「縁起の良い鳥」として親しまれてきました。
亀
「亀は万年」という言葉から、亀は長生きのシンボルとして認識されていて、鶴とともに、縁起の良い生き物として敬われてきました。
亀の甲羅に見られる六角形の紋様は、良い兆しや幸運を象徴すると言われています。
扇(おうぎ)
末広がりの扇は、前向きな未来や繁栄を象徴する縁起の良いデザインです。
祝い事の際に扇をプレゼントする伝統は現代にも続いており、昔から権力や富のシンボルとしても位置づけられてきました。
他に縁起が良いと言われる動物
上記で述べた松竹梅・鶴亀扇以外にも縁起が良いと言われる動物があるので紹介します。
コウモリ
コウモリは漢字で「蝙蝠」と書き、発音が「変福」と響き似ているため、コウモリは「福が訪れる」という吉祥の意味を持つとされています。
さらに、中国の伝説によれば、鼠が100年生き続けるとコウモリ(蝙蝠)に変わるとされており、コウモリは長寿や幸運の象徴として古来から尊重されています。
フクロウ
フクロウは「不苦労」や「福来郎」といった言葉遊びによって、苦労しない、または福が訪れるという縁起の良い意味合いを持つ生き物とされています。
七福神
七福神それぞれが持つご利益は、商売繁盛、財運、長寿、家族の健康や幸運といった日常のさまざまな願いを対象としています。
このように幅広い願いをかなえる神様たちが一堂に会することで、総合的な幸福や繁栄をもたらすと信じられています。
- 恵比寿天(えびすてん):商売の神様、商売繁盛
- 大黒天(だいこくてん):開運・出世・財運アップ
- 寿老人(じゅろうじん):長寿祈願
- 毘沙門天(びしゃもんてん):開運・金運向上
- 弁財天(べんざいてん):財運・商売繁盛
- 布袋尊(ほていそん):安産・夫婦円満
- 福禄寿(ふくろくじゅ):子孫繁栄、長寿祈願、財運向上
宝船に乗ってやってくる七福神の姿は、絵画や置物、おみくじの袋などさまざまなアイテムで見ることができ、特にお正月の装飾や飾りつけには欠かせない存在です。
鳩・亀
鶴と亀は長寿の象徴であり、「鶴は千年、亀は万年」として縁起が良いとされています。
鶴の夫婦の絆は夫婦愛の代表とされ、亀の甲羅の六角形模様や亀甲柄は吉兆のシンボルとして親しまれています。
だるま
だるまは昔から日本人に人気で、不屈の精神や強い意志、忍耐を象徴として、多くの人々が挑戦や目標達成の際にだるまを使用します。
目を描く習慣も独特で、最初は両目が白い状態で購入し、一つの目を描きながら願いを唱えます。その後、願いが叶ったときにもう一つの目を描くというのが一般的な使い方です。
赤色は守護や厄除け、さらに健康や力を意味する色として古くから使われています。だから、赤いだるまは健康や安全を祈願する際に特に重宝されています。
犬
犬は子沢山でお産が軽いことから安産の象徴とされていて、「福犬」のお守りは、安産や子供の健やかな成長を祈る意味があります。
福犬が竹の籠をかぶる理由は、竹と犬の組み合わせから「笑」という文字を連想させ、子供の明るい成長を願うものです。
さらに、「籠」は「加護」にかけて、神の保護や祝福を受けることを意味しています。
トンボ
トンボは前進のみの動きをすることから、後退しない、常に前へ進むという意味合いを持ち、「勝ち虫」として武士たちに好まれました。
この特性は、不退転の意志や絶え間ない前進のシンボルとして、縁起の良い模様として用いられていたのです。
「勝負運上昇」「立身出世」「必勝祈願」などの意味を持つとされ、これらのご利益を期待して信仰の対象とされたり、常に前進する姿から、進取の気質や勝利を意味するとされています。
たぬき
「たぬき」は「他抜き」や「他を抜く」という言葉遊びを通じて、他者を超えて成功するという意味を持ち、商売繁盛や金運向上などの縁起の良い効果が期待されています。
さらに、たぬきの夫婦愛が強い性質は「夫婦円満」の象徴としても広く認識されています。
猫
福を呼び込むとされる猫の姿は、多くのお店や家庭でよく見かけますよね。
元々は、ねずみによる農作物の損失を防ぐための猫が、商売の繁栄と結びつけられて「招き猫」と称されるようになったと言われています。
招き猫には、手を挙げている方向によって異なる意味があります。
- 右手を上げる招き猫は金運を呼び込むと言われています。
- 左手を上げるものは人間関係や恋愛の縁を招くとされます。
- 両手を挙げている招き猫は、お金と人々の双方を引き寄せる。その一方で、事業などで「お手上げ」という状態を示すこともあるため、贈り物として選ぶ際は注意が必要です。
まとめ
年賀状のイラストに使われる縁起物の意味・由来について説明しました。
年賀状の絵柄には長い歴史とそれぞれの背景があります。昔ながらの伝統的な絵柄から、現代的なデザインや人気キャラクターまで、さまざまな選択肢があるのが魅力です。
絵柄の意味を理解して、それを基に年賀状を選ぶことで、送る相手へのメッセージがより深く伝わるかもしれません。
また、その年の干支や特定のテーマを取り入れることで、より一層特別感を出すことができます。
受け取る側も、その絵柄やメッセージに込められた思いを感じて、新しい年のスタートをより良いものにしてくれることでしょう。